数の不思議

1. 17条の憲法
「和をもって貴しとし・・」で始まる17条の憲法はわが国最古の成文法です。第3条までが総論で第4条から第16条までには役人豪族の心得が示されています。ところが,第17条は「それ事はひとり断(さだ)むべからず・・・」となって実は第1条の内容の繰り返しです。聖徳太子は同じことを最後に再び言っているのはなぜでしょうか?
大切だからくどく言った? いやそうではなくて17という数にこだわってあえて追加したと思います。17とはきりの悪い数で素数ですが,実は17=5+7+5です。日本語は五七五で綴ると非常にきれいにまとまります。和歌俳句に限らず「もしもし亀よ・・・」も「春のうららの・・・」も「われは湖の子・・・」も七五調です。さすがは聖徳太子,きっと読む人の印象を考えて書いたのでしょう。原文は見つかっておらず,『日本書紀』(720年完成)に推古天皇十二年(604年)のところに全文が載っています。
 なお,武家最初の成文法となった鎌倉時代の御成敗式目 (=貞永式目)は全部で51条ありますが,51は17の3倍で,また足利尊氏が制定した室町幕府の政治要綱である建武式目もやはり17条からできています。

2. いろは歌
 一十百千万億兆の上にある単位は何でしょうか? 京(けい),垓(がい)・・・・,恒河沙(ごうかしゃ),阿僧祗(あそぎ),那由他(なゆた),不可思議, 無量大数(=1068)と続きます。大きな数値を扱う天文学でも,宇宙の年齢137億年は4.3233×1017(=43京)秒です。 ところで,平安時代から知られている「いろはにほへとちりぬるを・・・」はかな47文字を重複せずにすべて用いてできていますが,このような場合の数は 47!=2.58623×1059通りあります。上記の単位では約2586阿僧祗2300恒河沙通りです。もし1秒に1回そのような歌を作ったとしても作り終えるまでには 47!秒かかります。この数はなんと宇宙の年齢の6×1041にもなります。
「いろは歌」の作者(柿本人麻呂?空海?)は,一体どうやってこの歌を見つけたのでしょう。 ところが本居宣長をはじめ,今も多数のチャレンジ作品があるそうです。