京都大で情報処理学会全国大会,「PDP‐8/I」が遺産認定,見学ツアー盛況

一般社団法人 情報処理学会から情報処理技術遺産に認定された「PDP‐8/I」(KCG京都駅前校で保存・展示)
一般社団法人 情報処理学会から情報処理技術遺産に認定された「PDP‐8/I」(KCG京都駅前校で保存・展示)
喜連川会長から情報処理技術遺産の認定証を受ける長谷川晶理事長
喜連川会長から情報処理技術遺産の認定証を受ける長谷川晶理事長

一般社団法人 情報処理学会(喜連川 優会長)の第77回全国大会が2015年3月17-19日,京都大学吉田キャンパスで開かれ,京都コンピュータ学院(KCG)と京都情報大学院大学(KCGI)が京都駅前校のKCG資料館(KCGコンピュータミュージアム)で保存,展示しているDigital Equipment Corporation社(DEC社,米国)製のミニ・コンピュータ「PDP‐8/I」が,同学会「情報処理技術遺産」に認定されました。本学からは6機種目の遺産となります。また,長谷川靖子KCG学院長が「コンピュータ教育創造と普及の歩み」と題して講演しました。KCGグループは大会のゴールドスポンサーとして,会場内に展示ブースを設け、同学会より「分散コンピュータ博物館」に2008年度,全国で初めて認定されたKCG資料館やグループの取り組みを紹介,同資料館の見学ツアーも実施し,大勢の参加者を集めました。教職員がガイド役を務め,展示機器について解説しました。

「情報処理技術遺産」に認定された「PDP‐8/I」は1971年の製造とされています。DEC社あきるの工場DECミュージアム,国立情報研究所に展示されていた後,同研究所からの機器保管継続の要請を受け入れ,KCG資料館に2010年12月に搬入,保存展示を開始しました。同学会は認定の理由として「PDP‐8/Iは,ミニ・コンピュータというカテゴリーを創出した機種である。製造会社消滅で保存数は少ない」ためとしています。認定式では長谷川晶KCG理事長が、認定証を受けました。KCG資料館ではこれまでに,「TOSBAC-3400」,「OKITAC 4300C システム」(いずれも2008年度に全国第一号認定),「NEAC‐2206」(2010年度),「NEACシステム100」(2011年度),「MZ-80K」(2012年度)が認定を受けています。

長谷川学院長の講演は,同学会会員ら大勢が聴講しました。パイオニア精神を礎にしたKCGの50年以上に及ぶ教育活動の歩みや,コンピュータは機械ではなく文化的価値を持つものと位置付け,学内で使用したコンピュータを日本の高度成長を支えた技術を次世代に継承していくために保存していこうとした取り組み,使用済みパソコンを発展途上国に贈り,合わせて現地の技術指導者を養成するIDCE(海外コンピュータ教育支援活動)についてなどを,当時のエピソードを交えながら紹介しました。

海外コンピュータ教育支援活動(IDCE)
http://www.kcg.ac.jp/school_info/idce.html
KCGコンピュータミュージアム
http://www.kcg.ac.jp/museum/computer/index.html

「コンピュータ教育創造と普及の歩み」と題して講演する長谷川靖子学院長
「コンピュータ教育創造と普及の歩み」と題して講演する長谷川靖子学院長
KCG資料館の見学ツアーには大勢の方にご参加いただきました
KCG資料館の見学ツアーには大勢の方にご参加いただきました