私は，皆様の入学式に列席できたことを心から嬉しく思っています。
ご入学おめでとうございます。
 
京都コンピュータ学院は，日本で最初にコンピュータ教育を始めた学校で，理工系のコンピュータ技術においては，時代の先端を行く実践教育で高い評価を得ていました。しかし90年代に入り，コンピュータが芸術分野に広がり，マルチメディア時代が到来したので，京都コンピュータ学院にも，芸術情報系の学科を創設する必要が生じました。
 
1994年当時，マルチメディアにおいては，日米間で約10年の開きがあると言われていましたが，芸術情報系においてもトップクラスでありたいと考えた長谷川学院長の要請を受け，RITはCG・アニメーションなどの芸術情報系の学科を新設するため，カリキュラム指導などで，教育サポートをいたしました。RIT出身の講師グループを中心にして，鴨川校の芸術情報系の学科は，1995年に誕生しました。その年以来毎年8月に，多くの京都コンピュータ学院の学生がRITへ短期留学して来ており，RITも歓迎しております。
 
1996年，RITと京都コンピュータ学院との間に，姉妹校提携が結ばれ，より強い結び付きとなりました。
 
RITは1829年に創立された大学で，キャリア志向のパイオニアです。Alive, Dynamic, and Vivrant，すなわち，生きた学問を勉強し，ダイナミックに社会で活用し，世界に広げていくということを教育のモットーにしています。これは，まさに京都コンピュータ学院の教育モットーでもあります。RITは，研究及び実践教育で，アメリカ屈指の大きな総合大学です。RITは，38年間のパイオニア実績とRITと同じ教育モットーを持った京都コンピュータ学院を，特別な学校と考え，姉妹校提携をしたのです。
 
さらに，1998年，RIT大学院のIT学科修士課程併習コースが，京都コンピュータ学院内にできました。大学院前期課程を京都コンピュータ学院で学び，その後RITに編入するプログラムです。すでに次々と，京都コンピュータ学院の学生がRIT大学院IT学科へ留学しております。RITのIT学科は，全米で最初に創られた学科です。まだ日本でITという言葉が流行していない時に，長谷川学院長はIT時代の到来を予測して，この提携プログラムを考えられたのです。もちろんRITも，喜んでそれに応じました。現在，二校間の交流をより一層深めるいろいろなプログラムが検討されています。
 
さて，私は，学生が勉強するにあたっての主題は，意欲的であること，情熱的であること，楽しんで勉強することと考えます。
 
明日からの学院生活を楽しんでください。私は，コンピュータの勉強・仕事における皆様の輝かしい将来を，心より願っております。