オリオン
(Orion)さそり
(Scorpius)
狩人オリオンの暗殺
海の神ポセイドン(ゼウスの弟)と女人国アマゾンの女王エウリアレーとの間に生まれたオリオンは無類の勇者で,ヘルクレスと並ぶ英雄です。腕力は強くて,狙った獲物は決して逃さず必ず仕留めてしまう名狩人でした。特に鹿狩りが得意で,ギリシアからエーゲ海の島々の野を駆け巡りました。おまけにとびきり美男でしたから愛人もたくさんいました。しかし,自分の腕を自慢しすぎたため,ゼウスの正妻ヘラの怒りを買い,彼女の差し向けたさそりに踵を刺されてあっけなく命を落してしまうのです。そのためオリオンはいまだにさそりが怖くて,さそりが沈んでから昇って来るし,またさそりが昇って来るとあわてて西に沈むといわれています。密猟乱獲者オリオンは自然保護者ヘラの派遣した警備隊さそりに射殺された話ともとれますね。
別の物語ではフェ-トンが父アポロンにむりやり頼んで天を駆ける日輪の馬車を乗り回していたとき,フェ-トンに襲ってきた大蠍ともいわれています。彼はそのため操縦を過って,暴走した馬車は地上にサハラをはじめたくさんの砂漠を作ってしまいました。これ以上地上を荒らすことは出来ないと判断したゼウスは,馬車に雷電を放ったので,フェ-トンは火だるまとなりながら,エリダヌス川に落下したということです。