名 歌 

  • さすがは人麻呂
     天の海に雲の波立ち月の船 星の林に榜ぎ隠る見ゆ (万葉集7-1068)
  • へそ曲がりの在原業平
     世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし (古今53)
  • 知らなきゃよかったのは敦忠さんだけではなく浦島さんも同じ
     逢ひみての後の心にくらぶれば 昔はものを思はざりけり (百人一首)
     水の江の浦嶋の子が玉くしげ 開けずありせばまたも会はましを(丹後風土記)
  • 即興のダジャレ伊勢大輔
     いにしへの奈良の都の八重櫻 けふ九重ににほひぬるかな (百人一首)
  • 待つ身になって定家は
     来ぬ人をまつほの浦の夕なきに 焼くや藻塩の身もこかれつゝ(百人一首)
  • 数少ない星ネタ藤原道経
     秋の夜や天の川瀬はこほるらん 月の光のさえまさるかな (千載集)
  • 負け惜しみの後鳥羽院
     われこそは新島守よ隠岐の海の あらき波かぜ心してふけ
  • へたくそなれど壮大さでは村田清風
     来てみれば聞くより低し富士の峯 釈迦も孔子もかくやあるらん
  • 佐佐木信綱の詠んだ名刹は今やあまりにもきれいになり過ぎた
     ゆく秋の大和の國の薬師寺の 塔の上なる一ひらの雲