うお
(Pises)
や
(Sagitta)
魚になった愛の親子神
つながった2匹の魚の姿で描かれているうお座は,愛と美の女神ビーナスとその息子であるエロスが変身したものです。怪物デュフォンがナイルの川辺に現れて,みんなそれぞれ慌てて逃げたとき,この親子は手をつないで一緒に川に飛び込んだからです。
なお,エロス(別名キューピッド)は当たると最初に出会った異性に死ぬまで恋してしまう力のある黄金の矢を持っています。アポロンがダプネに叶わぬ恋をしたのも,ハデスがペルセポネをさらったのも,メディアがイアソンに一目惚れしたのもこの愛の矢のせいです。ところが彼は誤って自分にも当ててしまい,自分の矢の魔力をコントロールできず,プシュケという乙女と恋に陥ってしまいます。しかしこの恋は母神ビーナスの許さぬ恋であり,二人は様々な試練を課せられますが,最後はゼウスからもビーナスからも祝福されて結ばれます。
エロスの放った黄金の愛の矢は夏の夜空に飛んでいってや座になっています。