京情協がKCGグループとIOWNに関する府民セミナー開催

京情協の府民セミナーでIOWN構想について講演する日本電信電話株式会社の長谷部克幸氏(2025年6月20日,KCG京都駅前校6階ホール)
京情協の府民セミナーでIOWN構想について講演する日本電信電話株式会社の長谷部克幸氏(2025年6月20日,KCG京都駅前校6階ホール)

京都コンピュータ学院(KCG)に事務局がある一般社団法人 京都府情報産業協会(会長:長谷川亘KCGグループ総長)は2025年6月20日,KCG,京都情報大学院大学(KCGI),京都府中小企業技術センターとの共催による府民セミナーをKCG京都駅前校6階ホールで開催しました。日本電信電話株式会社研究企画部門IOWN推進室担当部長の長谷部克幸氏が「IOWN ~通信から挑む持続可能な社会の実現~」と題して講演し,同協会会員やKCG,KCGIの学生たちが聴講しました。

一人ひとりが心豊かに暮らしていけるWell-beingな世界を実現する上で,ICTの更なる発展が求められていますが,流通するデータ量の増大により,大量のコンピュータが導入され,膨大な電力を消費しています。長谷部氏は,今後も増加が見込まれ,持続可能性の危機に直面するこの問題の解決をめざす次世代情報通信基盤の構想「IOWN」について,これまでの取り組みを中心に解説しました。

講演では,東京と大阪での超低遅延によるオーケストラの演奏や,遠隔操作によるロボット手術などの事例を挙げて,IOWNの特長を説明。また,開催中の大阪・関西万博では,同社のパビリオンだけでなく,超歌舞伎やスポーツの試合のライブビューイング,プロジェクトマッピング,遠隔接客など,開催されている様々なイベントでIOWNの技術が使われ,未来社会の実現につながっていることが紹介され,参加者は興味深く聞き入っていました。

IOWN(アイオン:Innovative Optical & Wireless Network)構想:
NTTが2019年5月に発表した,従来の電子技術(エレクトロニクス)から光技術(フォトニクス)にシフトし,より「低遅延」「低消費電力」「大容量・高品質」のネットワークを実現しようというICTインフラ基盤構想。あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り,多様性を受容できる豊かな社会をつくり上げるのが目的としている。2024年の仕様確定,2030年の実現をめざし研究開発を進めている。