フル3DCGアニメ映画「EX MACHINA(エクスマキナ)」のCGディレクターがKCGで講演。

11月16日(金),京都コンピュータ学院京都駅前校で,今秋公開され話題を集めたフル3DCGアニメ映画「EX MACHINA(エクスマキナ)」のCGディレクターを務めた大塚康弘氏(株式会社デジタル・フロンティアCG制作部ディレクター)を招いて講演会を開催しました。大塚氏は,裏話を交えながら,映画制作の過程におけるスタッフたちの「こだわり」を披露。参加した学生たちは現場のプロによるCG映像制作の“奥深さ”を学びました。

大塚氏は「エクスマキナは2005年から制作を始めた」と説明。シナリオ開発からコンテ,アニマティクス(映画制作の初期段階において各シーンを検討するために簡単なモデルで映像化したもの),キャラクター・背景づくり,人間の動きをCGで再現するための工程,素材を組み合わせて調整を行いながら仕上げるコンポジットと,工程順に細かく制作内容を説明されました。その中でも特にこだわったポイントとして,

  1. 一般的にキャラクターの表情は「笑う」「怒る」などのパターンに分けてつくるだけだが,表現の自由度を高めるために筋肉の動きを重視したパーツを作り,表情をつくり込んだ。
  2. あらかじめ声優にセリフを語ってもらった後,それに合わせてキャラクターのCGをつくったので,唇の動きだけでなく呼吸の入れ方や間なども正確に表現できた。
  3. 質感を出すためのライティングの試行錯誤を繰り返した。

など,実際の制作途中のCG画像とともに詳しく紹介。「リアルになり過ぎることなく,あくまでアニメ調のレベルを保った質の高い作品づくりを心掛けました」と話しました。会場には,CG・映像界での活躍を目指す学生も多く集まり,CGの可能性を改めて認識するとともに,夢を大きく膨らませていました。

「EX MACHINA(エクスマキナ)」は理想郷として人工的に建造された中立都市「オリュンポス」が舞台。続発するテロから平和を死守するというストーリーで,約100分にわたる長編。近くDVDが発売される予定です。

株式会社デジタル・フロンティアは,2000年に設立し,昨年ヒットした映画「DEATH NOTE(デスノート)」やゲーム「ファイヤーエムブレム」(ムービーパート)などのCG映像を制作しています。大塚氏は以前,主にCM作品制作を担当していましたが,近年はCGディレクターとしてCMのほかにも映画やゲーム・ムービーなど活動の分野を広げています。

なお,エクスマキナの3DCG制作に使用されたソフト,SoftImage|XSI やMaya は,本学院の実習機にもインストールされており,学生が実習で使用しています。

  • ・株式会社デジタル・フロンティアhttps://dfx.co.jp/

  • ・映画「EX MACHINA(エクスマキナ)」公式サイト http://www.exmachina.jp/