KCG・京都すばる高校一貫教育事業を文科省が採択,未来のIT中核人材育成へ

京都コンピュータ学院(KCG)が京都府立京都すばる高等学校(京都市伏見区,貴島良介校長)と連携して一貫教育することによりIT人材を育成するプログラム「専門学校・高等学校連携による中核的IT専門職人材の加速型育成プログラムの開発・実証」が2021年10月25日,文部科学省の本年度「専修学校による地域産業中核的人材養成事業」に採択されました。デジタル技術の進歩によりビジネスや産業構造が変革する中にありながら,わが国においてはIT人材,とりわけ専門知識に精通し技術部門と経営部門両面をビジネスとしてとらえることができる中核人材の不足が深刻化しています。そのような中,職業系専門学科がある高等学校と専修学校が連携し,効率化された一貫カリキュラムを開発,実施することで技術系分野の教育を加速させ,5年間でIT中核人材を育成するのが狙いです。一貫カリキュラムは京都すばる高等学校 情報科学科の2022年4月入学生から適用することにしています。

事業を進めるにあたり,KCG京都駅前校,京都すばる高等学校,京都府教育庁指導部高校教育課,ITサービス大手の日本ユニシス株式会社,一般社団法人京都府情報産業協会からなる「産官学連携コンソーシアム」を設置。教育展開と並行して,産官学連携コンソーシアム会議を3カ月に1度開き,プログラムの進捗を確認するほか,多方面からの意見・提言を受けることにしています。さらに,生徒・学生向けのIT関連講演会や現役技術者との懇談会の場を設ける計画です。

KCGは,高校在学中に学習した技術系科目の多くが進学先の専修学校においても基礎的な科目としてカリキュラムに含まれているため,これらの科目を重複して履修しているケースが起きていることに着目。京都すばる高等学校 情報科学科のカリキュラムとKCGの3年課程コンピュータサイエンス学系のカリキュラムを比較した結果,前者において3年間学習した専門科目は,後者のカリキュラムのほぼ1年分の学習内容に相当することが分かりました。すなわち,両者の学習課程を連結した一貫カリキュラムを実施した場合,KCGの3年課程の学習内容を2年間で修了できることになります。これにより大学教育による技術修得の場合に比べて,2年程度の短縮が実現でき,本プログラムの学生にとっては,1年間の時間節約,1年間のコスト(学費,生活費など)節減が可能になります。

経済産業省は,2030年にIT人材45万人が不足すると試算(中位シナリオ:IT人材需給に関する調査 概要 ~2019年4月)。IT人材の不足は,わが国がDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みを遅らせている一つの要因になっているとの指摘もあります。また,総務省の調査では,少子高齢化を背景に,15〜65歳未満の生産年齢人口が1995年の8,716万人をピークに減少し,2030年には6,773万人,2040年には5,787万人になるとされています。人口の減少を補い,国力を維持・向上するためにもIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能),ビッグデータなどのデジタル技術の進化に合わせたDXの推進は不可欠であるといえます。

KCGと京都すばる高等学校は,このプログラム展開を広く周知し,一貫教育の適用初年度に当たる京都すばる高等学校 情報科学科の2022年4月入学生を募集していきます。