KCG設置のSIGが,1月17日にインターネット・ガバナンス講演会を開催します

京都コンピュータ学院(KCG),京都情報大学院大学(KCGI)などのKCGグループが設けた,多方面よりインターネット・ガバナンスを考えるためのSIG(School on Internet Governance)が2025年1月17日,オンライン講演会を開催します。講師は一般財団法人・国際経済連携推進センターデジタル社会研究所の河内淳子専門部長で,演題は「これからのデジタル社会におけるインターネット・ガバナンス-AIから地球環境まで」。今後のデジタル社会を考えるうえで必要な国際動向を押さえることができます。一般向け講演ですが,KCGでは特別講義として学生も聴講します。

KCGグループは,2023年10月に京都で開かれた国連主催の国際会議「インターネット・ガバナンス・フォーラム2023(IGF2023)」に合わせ,日本初のSIG事務局を学内に設置しました。IGF2023終了後も「SIG Japan」を開催していて,KCGIが開設したサイバー京都研究所(CKL)が活動をサポートしています。

SIGは,インターネット・ガバナンスに関する教育と能力開発の機会提供を目的としています。参加者は,インターネットのインフラ,サイバーセキュリティ,デジタル権利などのトピックを学び,インターネットを活用した各種政策決定プロセスの参加に求められるスキルを身につけることができます。

講演では,IGF2023,2005年から毎年開催されている世界情報社会サミット(WSIS),2024年9月に米・ニューヨークで開催された「未来サミット」において採択されたGlobal Digital Compact(GDC),12月にサウジアラビアで開催されたIGF2024などを踏まえ,これからのデジタル社会におけるインターネットの在り方について概説します。どなたでも無料でご参加いただけますので,下記URLのフォームに必要事項をご記入のうえ,指定のZoom URLからご参加ください。

【2024年度 SIG Japanイベント概要】

開催日時:
2025年1月17日(金)11:10~12:40
形式:
オンライン
参加費用:
無料
講演タイトル:
「これからのデジタル社会におけるインターネット・ガバナンス-AIから地球環境まで」
講師:
国際経済連携推進センターデジタル社会研究所 河内淳子専門部長
主催:
School on Internet Governance Japan,京都コンピュータ学院
協力:
(一財)国際経済連携推進センター
お申し込み:
https://forms.office.com/r/cLEcmBCFh8
締め切り:
2025年1月16日正午
お問い合わせ:
インターネットガバナンススクール日本(SIG Japan)事務局sig@kcg.edu

講師プロフィール:京都大学(法学士),英ケント大学(国際関係論修士),追手門学院大学大学院(経営学・国際公共政策専攻博士)卒業・修了。1995年より(一社)情報サービス産業協会で国際関係業務を担当。2020年(一財)国際経済連携推進センターに移り,デジタル関連政策にかかわる調査研究事業を担当。2022年より国連IGFのマルチステークホルダー・アドバイザリー・グループ(MAG)メンバーとなり,インターネット・ガバナンスにかかわるグローバルな議論に参加。国内のインターネット・ガバナンス・コミュニティの活動にも参加し,国内外のIGF活動の橋渡しを行っています。

・IGF(Internet Governance Forum)は,インターネットに関する公共政策の問題を議論するために国連が主催するグローバルなプラットフォームで,2006年から毎年開催されています。

・WSIS(World Summit on the Information Society)は,情報社会に関する国際的な議論を促進するために国連が主催するサミットで,2003年にジュネーブ,2005年にチュニスで開催されました。WSIS+20は2024年5月に開催されました。

・Global Digital Compact は,デジタル権利の保護,インターネットの自由,プライバシーの確保,そしてデジタル技術の公平なアクセスを促進することを目指す包括的な枠組みであり,2024年9月にニューヨークで開催された「未来のサミット」で採択されました。中核にあるのは,すべての人々の利益のために,テクノロジーを設計,利用,規制するというコミットメントであり,193の国連加盟国によって交渉され,グローバルな協議を経て策定されました。

KCGIの入学定員を1,000名に。開学時の12倍超

京都情報大学院大学(KCGI)は,2025年度入学生の定員を従来の880名から1,000名に増員します。2024年11月,文部科学省に変更届を提出しました。日本最初の専門職大学院として2004年度に開学した当時の入学定員80名の12.5倍となります。国内外で高いスキルを持ったIT人材の育成が叫ばれている中,情報系と経営系2つを専門領域とし,修了すると日本におけるIT応用分野の最高学位である「情報技術修士(専門職)」を取得できる本学への入学希望者が急増しているため,増員に踏み切りました。2022年夏には京都本校百万遍キャンパスに新校舎が完成,京都本校のほか京都駅前,札幌,東京にサテライトがあり,受け入れ体制は万全です。本学は今後も国内外のIT業界をけん引するリーダー育成に向けて努力していきます。

入学定員の増員に伴い,収容定員は2025年度1,880名,2026年度以降は2,000名となります。

ビジネスに応用するためのITは進歩を続ける一方,経済産業,厚生労働,文部科学の3省による人材供給の試算によると,国内IT人材は2018年時点で約22万人が不足,セキュリティ対策,電気自動車の普及といったIT需要が今後ますます拡大するとし,2030年には不足数が45万人(中位シナリオ=市場の伸び率を2~5%と仮定した場合)にのぼるとはじき出しています。産業界はとりわけ,高度なIT人材の不足を叫んでいます。

このような中,本学は▽人工知能 ▽データサイエンス ▽ウェブシステム開発 ▽ネットワーク管理 ▽グローバル・アントレプレナーシップ ▽ERP(Enterprise Resource Planning)▽ITマンガ・アニメ ▽観光IT-の8つの専門分野を置き,IT応用分野のトップリーダーを育成,産業界が求める有能な人材を輩出してきました。実務経験が豊富な教授が多いのも特長です。

京都本校百万遍キャンパス新校舎は地上4階地下1階建てで,アクティブラーニングなど多様な学習形態に対応可能なハイフレックス仕様の教室,新しい発想の展開を促進させるイノベーションルーム,オンライン授業・ミーティングに対応する個人用ワークブース,IT関係を中心とした書籍を所蔵するライブラリー,多目的ホールとしての機能もある大講義室などを備えた先進的かつ画期的な校舎です。本学は英語による講義を多数開講していることから,近年はアジアや欧米のみならずアフリカや中南米諸国からの留学生が大勢学んでいます。

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KCGIのミグダリスキー,ミグダリスカ両教授が母国ウクライナで受賞しました

The National Union of Journalists of UkraineからKCGIのウラディーミル・ミグダリスキー,ビクトリア・ミグダリスカ両教授に贈られた賞状(DIPLOMA)
The National Union of Journalists of UkraineからKCGIのウラディーミル・ミグダリスキー,ビクトリア・ミグダリスカ両教授に贈られた賞状(DIPLOMA)

京都情報大学院大学(KCGI)で教壇に立つウクライナ出身のウラディーミル・ミグダリスキー教授と母のビクトリア・ミグダリスカ教授が日本で出版した「ウクライナ避難民とコミュニケーションをとるためのウクライナ語会話集」が,同国の2024年全国コンクール「The Ukrainian Language is the language of unity(ウクライナ語は団結の言語)」で,「IN SIGHT OF THE WHOLE WORLD」に認定され,このほど両教授に賞状が贈られました。賞状でthe National Union of Journalists of Ukraine(ウクライナ全国ジャーナリスト連合)は2人をそれぞれ「ウクライナ語-日本語会話集の作成および出版に尽力したことを認め,誇りに思います」とたたえました。

「会話集」は,2022年2月のロシアによる侵攻を受けて日本に避難したウクライナ人などのために,日本語とウクライナ語を併記した日常会話集で,同年7月にドニエプル出版・新風書房より出版(ISBN:9784882699231)されました。46ページの本書には日ごろのあいさつなど,よく使われるフレーズが両国語のほかローマ字でも記述されています。

ミグダリスキー教授は,オデーサ国立大学で修士号,京都大学で博士号を取得した情報学者。京都大学特任講師などを経てKCGI教授に就任しました。数値解析や日本語・ロシア語教育法などが専門分野で,KCGIでは「応用情報技術のための数学」「ITのための統計学」などの科目を担当しています。

ミグダリスカ教授は,オデーサ国立大学上級日本語講師を務めるなど長く日本語教育に携わり,2017年には日本国外務大臣表彰を受けました。ロシアのウクライナ侵攻後,次男のミグダリスキー教授がいる京都に避難,KCGI教授となりました。「ICT実践コミュニケーション」を担当するとともに,ウクライナからの避難民受け入れに協力する自治体などで講演を続けています。

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伊藤博之KCGI教授が特別講義「初音ミクから学ぶデジタルコンテンツの可能性」

「初音ミクから学ぶデジタルコンテンツの可能性」と題したクリプトン・フューチャー・メディア代表取締役・伊藤博之KCGI教授の特別講義(2024年12月6日,KCG京都駅前校・KCGI京都駅前サテライト6階大ホール)
「初音ミクから学ぶデジタルコンテンツの可能性」と題したクリプトン・フューチャー・メディア代表取締役・伊藤博之KCGI教授の特別講義(2024年12月6日,KCG京都駅前校・KCGI京都駅前サテライト6階大ホール)

世界中で人気のバーチャルシンガー「初音ミク」の生みの親で,クリプトン・フューチャー・メディア株式会社(本社札幌市,創立1995年)代表取締役の伊藤博之・京都情報大学院大学(KCGI)教授による特別講義が2024年12月6日(金),京都コンピュータ学院(KCG)京都駅前校・KCGI京都駅前サテライト6階大ホールで実施されました。KCGI・KCGの学生たちはコンテンツビジネス最前線で活躍する第一人者の講義に熱心に聴き入りました。伊藤教授は「初音ミク」が誕生した経緯と成長過程,音声技術・3DCG技術への先進的な取り組みや,国内外での活躍について映像を交え分かりやすく解説しました。特別講義は札幌・東京サテライトなどの学生のため,オンラインで同時配信されました。

「初音ミク」は2007年8月31日に誕生したバーチャルアイドルです。歌詞とメロディを入力すると音声合成で歌ってくれるソフトウェアであり,「身長158センチ,体重42キロ,16歳」の人気キャラクター。得意ジャンルはアイドルポップスとダンス系ポップスです。国内外でライブコンサートが開催され,日本文化を世界に発信するクールジャパンの象徴的存在になっています。

「初音ミクから学ぶデジタルコンテンツの可能性」と題した講義で,伊藤教授はクリプトン社の事業を紹介したうえで音楽とテクノロジーの関係と歴史,コンピュータ・ミュージックの基礎などを説明。そして「ヤマハが開発した歌声合成技術を使うと,人の歌声のバーチャル・インスツルメント(仮想楽器)も作れる」との発想から「初音ミク」を生み出し,「歌声合成ソフトとしてリリースしました。キャラクターをくっつける試みは当社が初めてです」といきさつを明かしました。

キャラクター化が功を奏し,音楽だけでなく「初音ミク」のイラストやCG,コスプレなどを創作してインターネットに投稿する人たちが次々に現れ,創作の連鎖が世界中に拡大。創作の連鎖が無断使用の連鎖にならないようにするため「当社が持っている権利を開放することと,ファンが作った二次的著作物をどうやってほかのファンに使わせるかに取り組みました」と説明。「初音ミク」の利用を許諾するためのライセンス発行,投稿サイト「piapro(ピアプロ)」開設により権利クリアランスの環境を整えたことを解説し「創作したファン同士が憎み合うのではなく,ありがとうと言い合える連鎖にしたかったのです」と思いを語りました。

「初音ミク」は誕生から17年がたち,たくさんのクリエイターによる二次創作・三次創作の結果,歌や音声にとどまらず,ダンスや動画,フィギュアなどへと表現形態が多様化しました。新開発技術の活用によって成長し,表現力,歌唱力もどんどん豊かになり,ファッションやフルオーケストラでのコンサート,ゲーム,歌舞伎とのコラボレーションなど,活動フィールドは拡大の一途です。伊藤教授は「デジタルコンテンツは,どんどん公開していろんな人に使ってもらえばもらうほど価値が増えると思っています」との見解を示し,多様なジャンルのクリエイターや企業などと進めているコラボ事例を紹介しました。

コロナ情勢沈静化に伴い,「初音ミク」活躍の場が復活・増加しています。公演やイベント出演が続き,毎年開催されている3DCGライブと創作の楽しさを体感できる企画展イベントは「初音ミク『マジカルミライ2024』」として8月から10月にかけ福岡,千葉(「in TOKYO」),大阪で催されました。2025年4月19日からは,日本全国を巡るライブツアー「初音ミク JAPAN LIVE TOUR 2025 ~BLOOMING(ブルーミング)~」が東京,大阪などの7会場で開催されます。同年5月には中村獅童さんと共演する「超歌舞伎 〈CHO-KABUKI〉Powered by IOWN『今昔饗宴千本桜 Expo2025 ver.』」が,大阪・関西万博で上演されることも決まっています。

海外版マジカルミライともいえる「MIKU EXPO」は,コロナ感染で開催を見合わせる直前の「HATSUNE MIKU EXPO 2020 EUROPE」以来となるリアル開催で,4月から5月まで「MIKU EXPO 2024 North America」として北米17都市を回り,各会場とも大盛況でした。10月~11月は英,仏,独などでの「MIKU EXPO 2024 EUROPE」,初めて豪・ニュージーランド5都市を巡る「HATSUNE MIKU EXPO 2024 New Zealand & Australia」を開催しました。北米ツアー中は米国最大級の音楽フェス「コーチェラ」にも出演しました。コラボイベント・商品発売も相次ぎ,観光キャンペーンや花火大会への参加など,2024年はこれまで以上に幅広いジャンルで展開しています。4月からは「クレヨンしんちゃん×初音ミク」のグッズ販売が始まりました。商品展開は,ファッションから文具,電気部品まで広がっています。

「初音ミク」は社会貢献にも取り組んでいて,2024年はこれまでの活動に加え,元日に起きた能登半島地震の復興支援を目的にした「HATSUNE MIKU CHARITY PROJECT(ミクチャリティ企画)」を3月まで展開しました。

伊藤氏は,2013年4月にKCGI教授に就任しました。同年秋には国際的な活動と技術革新が認められ,藍綬褒章を受章しています。KCGIとKCGには相互に授業を聴講できる仕組みがあります。KCGIのコンテンツビジネス関連を学ぶ学生だけでなく,KCGのアート・デザイン学系,デジタルゲーム学系,コンピュータサイエンス学系情報処理科IT声優コースなどコンテンツ関連の学生たちも,伊藤教授の取り組みから多くを学ぶことができます。

伊藤教授は,バーチャルシンガー「初音ミク」誕生の経緯や成長過程,音声技術・3DCG技術への取り組み,国内外での活躍について映像を交え解説しました。
伊藤教授は,バーチャルシンガー「初音ミク」誕生の経緯や成長過程,音声技術・3DCG技術への取り組み,国内外での活躍について映像を交え解説しました。
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KCGコンピュータミュージアム所蔵のIBM360が大阪市立科学館の企画展に出展

大阪市立科学館の企画展「万博で夢見たサイエンス展」に展示されたKCGコンピュータミュージアムの大型コンピュータ「IBMシステム/360~Model40」=2024年12月4日,大阪市立科学館
大阪市立科学館の企画展「万博で夢見たサイエンス展」に展示されたKCGコンピュータミュージアムの大型コンピュータ「IBMシステム/360~Model40」=2024年12月4日,大阪市立科学館

京都コンピュータ学院(KCG)のKCGコンピュータミュージアムが所蔵する大型コンピュータ「IBMシステム/360 Model40」が,大阪市立科学館(北区)の企画展「万博で夢見たサイエンス展」の前期(2024年12月6日~2025年1月26日)に展示されることになりました。遠隔端末装置を電話回線経由で中央コンピュータに接続して通信するという画期的なシステムで当時人気を博した同機は1980年,KCG洛北校に実習機として導入され,本学院の最先端教育に活用されました。「Model40」が現存するのは日本国内では唯一ともいわれています。企画展での展示は,情報技術の急速な発展を知るうえで,注目を集めそうです。

企画展のコンセプトは「1970年大阪万博が描いた夢・未来・サイエンス」。同機の展示をKCGコンピュータミュージアムに依頼した理由を大阪市立科学館は「前回の大阪万博は,それまで専門家のためだけのものだったコンピュータを,自分で操作し,その威力を知り,コンピュータが身近にある未来を夢見ることができる場でした。その時期に使われていた大型コンピュータを,実物を交えて紹介し,1970年から現在までに,コンピュータがいかに身近なものになってきたかをご覧いただきたい」としています。

IBM360は,本体が幅84センチ,奥行き170センチ,高さ155センチのメインフレームコンピュータです。セラミック製の小さな基板にソリッドステート素子(トランジスタ),抵抗器,ダイオードなどを装着しているのが特徴で,それまで一般的だった各部品を個別に配線する方法に比べ,回路をコンパクトにすることができました。これはその後のコンピュータの設計に影響を与え続け,「史上最も成功したコンピュータ設計のひとつ」とされています。

KCGコンピュータミュージアムでは,日本最初のコンピュータ教育機関であるKCGが,創立以来60年以上の長きにわたって教育・実習・研究で使用してきた過去のコンピュータ等を保存・展示しています。「国内屈指の貴重な機器を多数保存している」との理由で2009年に社団法人(現在は一般社団法人)情報処理学会から「分散コンピュータ博物館」の全国第一号認定を受けました。また「TOSBAC‐3400」や「OKITAC-4300C システム」など7機種が「情報処理技術遺産」として認定されています。2011年にはKCGの長谷川靖子学院長に,同学会から感謝状が贈られました。KCG京都駅前校には,これら「情報処理技術遺産」認定機器のほかにも多くの貴重な過去の名機が展示され,日本の高度成長を支えた技術を間近で知ることができる場として見学者が多数訪れています。

企画展展示に向けKCGコンピュータミュージアムから搬出される「IBMシステム/360~Model40」=同,KCG京都駅前校
企画展展示に向けKCGコンピュータミュージアムから搬出される「IBMシステム/360~Model40」=同,KCG京都駅前校
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「物流×生成AIワークショップ」開催,生成AIによる物流業界の課題解決を探りました

充実のワークショップとなり,学生たちは誇らしげに記念撮影に臨みました(2024年12月1日,KCGI百万遍キャンパス大講義室)
充実のワークショップとなり,学生たちは誇らしげに記念撮影に臨みました(2024年12月1日,KCGI百万遍キャンパス大講義室)

京都情報大学院大学(KCGI)・京都コンピュータ学院(KCG)と,ITサービス大手のBIPROGY株式会社が共同で設置している「未来環境ラボ」による「物流×生成AIワークショップ」が,物流サービス大手のトナミホールディングス株式会社様の後援で2024年11月30日(土),12月1日(日)の2日間開催され,KCGI・KCGの学生たちが,生成AIを活用した物流業界の課題への対応について考えました。

はじめに,未来環境ラボの中口孝雄KCGI教授が本ワークショップの目標とグループワークのポイントについて説明した後,トナミホールディングス社執行役員 経営企画グループ情報戦略室長の小西賢輔様より「物流事業の現状と課題について」と題して,物流業界が直面しているトラックドライバーの時間外労働規制に関する改正法施行による物流・運送業界の「2024年問題」と改善に向けて必要なこと,物流DX(デジタルトランスフォーメーション)事例についてお話ししていただきました。その後,中口教授がこれまでに未来環境ラボが行ってきたワークショップの内容にも触れながら,生成AIの概要や最新の状況,応用の多様化,生成AIを使う際の留意点などについて説明しました。

4チームに分かれたグループワークでは,学生たちは小西様はじめトナミグループの皆さまやBIPROGY社総合技術研究所主席研究員の三浦仁KCGI教授らに質問し,直接アドバイスを受けながらアイデアを出し合い,どの課題をどのような技術や仕組みで解決するかを話し合いました。

グループワークでは力を合わせて物流業界の課題解決に取り組みました
グループワークでは力を合わせて物流業界の課題解決に取り組みました

プレゼンテーションでは,全チームが成果を発表。その結果,言語の壁を越えて外国人人材に活躍してもらうための「AR技術を用いた人材教育の提案」が最優秀賞に輝きました。小西様からは,「さまざまな課題から自分たちで見いだして,結論にたどり着ける力には素晴らしいものがある。今回の提案の中には,実際に問題解決にヒントになるようなものもたくさんあった」,BIPROGY社シニア・スペシャリストの横山秀雄様からは,「自分だけでは解決できない問題を,他の人の力も借りながら,ITを使ってちょっと工夫することで社会がよくなっていく,そういった視点を今日参加された学生の皆さんに持っていただければと思います。今日の機会を次のチャンスにつなげてください」と講評をいただきました。また,未来環境ラボの中口教授と前納一希先生からも,「今回のような学科・学年をまたぎ,さらに企業の方々も密に参加するワークショップは非常に珍しく貴重な取り組み。難しいテーマにも,楽しみながら問題解決をしていってほしい」とコメントがありました。学生たちからは,「答えのない課題に取り組む過程を経験できたのは大きな学びでした」「自分の思った以上にさまざまなアイデアが浮かんで,他のチームの発表を見ていてもすごい発想だなと感心するアイデアもあり非常に楽しかったです」「普段触れることのない技術や分野に触れ,自らの力を試す場としてこれほどの場所はないと思うのでぜひまた参加したい」といった意見が寄せられました。

2日間の成果をプレゼンテーションで発表。たくさんの質問やコメントをいただきました
2日間の成果をプレゼンテーションで発表。たくさんの質問やコメントをいただきました

「未来環境ラボ」は,BIPROGY社の第一線の研究員とKCGI・KCGの教員が,新鮮な発想を持つ学生とともに,共同プロジェクトを推進していく産学共同の場です。「世の中にどんな技術があるかを知ればアイデアが湧く」,「アイデアを形にする力も訓練で向上する」と考え,物事をさまざまな観点からとらえ,現在はまだ存在しないものを自分で新たに生み出す経験を積む機会を学生に提供しています。

KCGIがネパールのトリブバン大学Makawanpur Multiple Campusと協定を締結しました

MOUへの署名を終えたKCGIの土持ゲーリー法一副学長とMMC関係者(2024年11月17日,ネパールのMakawanpur Multiple Campus)
MOUへの署名を終えたKCGIの土持ゲーリー法一副学長とMMC関係者(2024年11月17日,ネパールのMakawanpur Multiple Campus)

京都情報大学院大学(KCGI)は,ネパールのトリブバン大学(TU)マカワンプール・マルティプル・キャンパス(Makawanpur Multiple Campus,略称MMC)と2024年11月17日,協定の覚書(MOU)を締結しました。今後,教育研究プロジェクトの共同開発,教員や学生の交流,シンポジウム・セミナー開催などの活動をともに実施します。

この日ネパールのMMCで,KCGIの土持ゲーリー法一副学長とMMCのYam Silwal校長がMOUに署名しました。このほかKCGIからアナンダ・ネパル助教(留学生募集オフィス長),MMCからAanand Prasad Paudel議長,Ashok Shakya副議長,Uttam Aryal学院議長が同席しました。ネパル助教は,同国からKCGIへの元留学生です。MMCでは,土持副学長が「次世代型教育パラダイムシフト」,ネパル助教が「Society 5.0」について特別講義をしました。

土持副学長らは同日,同じくTU傘下にあるモダン・ネパール・カレッジ(Modern Nepal College,略称MNC)も訪問。MNCのKiran Dongol校長らと,KCGIとMNCの連携について議論し,次回会合でMOUを締結することで合意しました。今後MNCの経営学士が,KCGIで情報技術修士号を取得する可能性などを検討することにしています。

トリブバン大学(TU)は1959年に創立されたネパール最古で最大規模の国立大学です。多くの優秀な人材を輩出し,同国の近代化,発展に貢献してきました。KCGグループは,ネパールの大学との交流を活発化させていて,2022年7月にTUコンピュータサイエンス及びインフォメーションテクノロジー学部(TU Central Department of Computer Science and Information Technology,略称TU-CDCSIT)と,2024年1月にはTU-Mechi Multiple Campusと大学間交流協定を締結しています。

MOUへの署名後,KCGI,MMC関係者は記念撮影に臨みました(同)
MOUへの署名後,KCGI,MMC関係者は記念撮影に臨みました(同)
特別講義をする土持ゲーリー法一KCGI副学長(同)
特別講義をする土持ゲーリー法一KCGI副学長(同)
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KCGコンピュータミュージアムが「ワクワクする大学博物館」に掲載

KCGコンピュータミュージアムが掲載された「京都のワクワクする大学博物館めぐり」

京都コンピュータ学院(KCG)京都駅前校のKCG資料館・コンピュータミュージアムが,2024年11月に発刊された本『京都のワクワクする大学博物館めぐり』(著者:大坪覚さん)に掲載されました。2ページにわたって「ここでしか見られない貴重なコンピュータの名機」とのタイトルで紹介されています。KCG資料館は「国内屈指の貴重な機器を多数保存している」との理由で2009年に社団法人(現在は一般社団法人)情報処理学会から「分散コンピュータ博物館」の全国第一号認定を受けています。

情報処理学会から「情報処理技術遺産」の全国第一号認定を受けた「TOSBAC‐3400」と「OKITAC-4300Cシステム」の写真とともに,KCGグループの歴史やコンピュータミュージアムの詳しい内容が記されています。

「京都のワクワクする大学博物館めぐり」はA5判・125P,1,900円。大坪さんはこれまでに「東京のワクワクする大学博物館めぐり」を刊行しています。

KCG資料館・コンピュータミュージアムでは,日本最初のコンピュータ教育機関であるKCGが,創立以来60年以上の長きにわたって教育・実習・研究で使用してきた過去のコンピュータ等を保存・展示しています。「情報処理技術遺産」が「TOSBAC‐3400」,「OKITAC-4300Cシステム」を合わせ7機種あるほか,多くの貴重な過去の名機が展示され,日本の高度成長を支えた技術を間近で知ることができる場として見学者が多数訪れています。

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11月祭を開催!学生たちの笑顔があふれました

京都コンピュータ学院(KCG)の学生が中心となって企画した2024年の学校祭「11月祭」が,11月8,9の両日,KCG京都駅前校で開かれました。オープンキャンパスも同時開催し,大勢の在学生や高校生,卒業生,一般の方々でにぎわいました。

実行委員会が部活動やサークルと協力し合うなどしてイベントや作品展示,模擬店などを準備。好天にもめぐまれ,にぎやかな2日間となりました。キャラクターアーティストのTOM氏をお招きしてのライブペインティングや,6階ホールの大スクリーンで行うゲーム大会,学生のゲーム作品をプレイできるゲーム制作サークルや,アート,写真などの学生作品展示,ビンゴ大会,各サークルや留学生有志による模擬店など,いずれのブースも,学生や参加者の笑いや熱気にあふれました。

11月祭の模様を写真で紹介します。

11月祭写真

校舎入口には,毎年恒例となっている,学生たちが制作した大看板が掲げられました。

11月祭写真
11月祭写真

GIGABYTE様,CGWORLD様のご協力で開催されたキャラクターアーティストTOM氏によるライブペインティングでは,立方体からモデリングを始め,テクスチャをつけ,カメラの位置やライティングを決めてレンダリングし,オリジナルキャラクターの3Dイラストを制作する過程を,作品制作のポイントやふだんの仕事で気をつけていることに触れながら実演してくださいました。また,参加者からのさまざまな質問に答えてくれました。

11月祭写真
11月祭写真

ゲーム制作サークルのブースでは,たくさんの学生ゲーム作品が展示されていて,参加者は自由にプレイしていました。ゲーム制作会社で活躍する卒業生も遊びに来てくれ,学生たちは先輩のアドバイスに熱心に耳を傾けていました。

11月祭写真
11月祭写真

定番のフランクフルトやちょっとおしゃれなパンケーキ,淹れたてコーヒーなど,模擬店も盛りだくさん。お客さんがたくさん来てくれて調理が追いつかない場面も。

11月祭写真
11月祭写真

イラスト作品や写真部による自慢の一枚の展示も,たくさんの方に見ていただきました。

11月祭写真

創部から30年以上の伝統を誇るCINCS(制御通信部)では,白線上を歌いながら走るライントレーサーロボットを展示。センサーでスタート・ストップや加速・減速も制御しています。年々進化中です!

11月祭写真
11月祭写真

KCGと京都情報大学院大学(KCGI)の学生らが参加する学生交流会では,世界中の駄菓子を安価に販売したり,昔ながらのゲームで遊べるコーナーもありました。

11月祭写真
11月祭写真

ネパール,ウズベキスタン,バングラデシュ,ベトナムなど,世界各国からの留学生たちが故郷の味をふるまいました。おいしかったと大評判です。

11月祭写真
11月祭写真

留学生たちによるダンスや歌の披露では,会場が一体となって盛り上がりました。

11月祭写真
11月祭写真

最後は豪華景品が当たる?!ビンゴ大会です。数字が読み上げられるたびに一喜一憂!

大盛況の中,今年の11月祭は幕を閉じました。

KCGI・KCGの歴史を語る「リーダーが紡ぐ私立大学史」を刊行

京都コンピュータ学院(KCG)の創立から京都情報大学院大学(KCGI)の開学,その発展までを綴る「リーダーが紡ぐ私立大学史⑤ 京都情報大学院大学 長谷川 亘」が2024年9月30日,株式会社悠光堂より刊行されました。

日本私立大学協会の企画・協力による,私立大学発展に尽力した大学人のロングインタビュー本「聞き語りシリーズ」の第5弾です。著者は元文部科学省社会教育課長で元東京国立近代美術館長の神代浩氏。複数回にわたり長谷川亘KCGグループ総長にインタビューし,まとめました。

  • 目次
  • 第1章 京都コンピュータ学院と長谷川夫妻~究極の文理融合~
  • 第2章 長谷川亘の半生
  • 第3章 IT分野の専門職大学院第1号
  • 第4章 ナンバーワンにしてオンリーワン
  • 第5章 コンピュータは「文化」である
  • 第6章 「こうもり」大学院の将来
  • 終章 卒業生が変える社会

「まえがき」で神代氏は,「KCGとKCGIの歩みは一私立学校の歩みにとどまらず,コンピュータという人類文明を根本的に変革する可能性のあるシステムが登場したときに,『高等教育とは何か』『学校とは何か』『人を育てるとはどういうことか』という問いに答えようとする真摯な営みの積み重ねであるのだ」と述べています。

KCG創立者である長谷川靖子KCG第二代学院長の手記からも多く引用され,KCG創立以前や長谷川総長の幼少期,KCGI開学までの道のりなどが,当時のエピソードとともに読みやすく語られています。

本書はA5判207ページ。定価1,980円(税込み)で,一般・インターネット書店で販売されています。

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