パプアニューギニア・ゴロカ大学に「KCG・ハセガワ・ラボ」開設,KCG寄贈のPCに学生の人だかり

民族衣装を着けてKCGから寄贈されたパソコンを操作するパプアニューギニア・ゴロカ大学の学生
民族衣装を着けてKCGから寄贈されたパソコンを操作するパプアニューギニア・ゴロカ大学の学生

2009年,KCGから海外コンピュータ教育支援活動(IDCE)の一環としてパソコンの寄贈を受けたパプアニューギニアのゴロカ大学にこのたび,大学院生向けのコンピュータ室が設けられ,その教室の名前に本学院(Kyoto Computer Gakuin)の頭文字とIDCEの創設者である長谷川靖子学院長およびその娘で活動に積極的に携わっている長谷川由さんの名をとり,「KCG Hasegawa Lab」と命名されました。開設以来,いつも学生たちで混雑しているとのことで,20年以上にわたって発展途上国のコンピュータ教育支援に力を注いできたIDCEの取り組みが,またひとつ花を開いたといえそうです。

KCGは2009年5月,本学院で使用した53台のパソコンを,同大学に寄贈。そのうちの20台が配備されて開設した「KCG Hasegawa Lab」は,2010年5月10日にオープニングの日を迎えました。

パプアニューギニアの大学でも講義の提出課題の作成はパソコンを使います。自由に使えるパソコンが大幅に増えたことから,「KCG Hasegawa Lab」をはじめ,KCGから寄贈されたパソコンが置かれている教室は,いつも学生たちで混雑しているといいます。1回2時間の完全入れ替え制で,入れ替え時間前には,順番を待つ学生が廊下にまであふれるのだそうです。

世界中に急速に広がる情報化の流れの中で,発展途上国の情報化の遅れはデジタルデバイド(情報格差)と呼ばれ大きな問題となっています。以前,ゴロカ大学では約1900人の学生に対して,大学所有のパソコンは約300台,学生が自由に使えるパソコンとなると100台ほど(学生19人で1台)しかありませんでした。KCGの寄贈で学生の学習環境も改善されたといえます。

海外コンピュータ教育支援活動( IDCE)
  1989年にKCGが開始した発展途上国へのコンピュータ教育支援を行うプロジェクト。学院の中古パソコンを途上国に寄贈し,これを利用して,途上国のコンピュータ・リテラシー教育の開発・浸透を現地教育省・科学技術省との協力において図ろうとするボランタリー活動。パソコンの寄贈に合わせ,現地教員の研修,研修生の受け入れ,専門家の派遣などを続けている。現在まで寄贈パソコン台数は3000台以上にのぼる。支援対象国はタイ,ガーナ,ポーランド,ケニア,ジンバブエ,ペルー,スリランカ,中国,ブルネイ,マラウイ,ナイジェリア,モンゴル,キルギス,ボスニア・ヘルツェゴビナ,エリトリア,タンザニア,ウガンダ,モザンビーク,サウジアラビア,メキシコ,ミャンマーに,パプアニューギニアを加え,合わせて22ヵ国に及ぶ。

2006年には,それらの活動が評価され,国連の専門機関の一つである財団法人日本ITU協会(国際電気通信連合)よりKCGの長谷川靖子学院長が「国際協力特別賞」を受賞した。パソコンを寄贈する際には,KCGの学生たちも清掃・梱包などのボランティア活動に参加し,国際協力の一翼を担っている。