KCGI望月先生と孫さんのAI分野の発表が国内最優秀賞を受賞しました

京都情報大学院大学(KCGI)助教の望月バドル先生と孫宜蒙さんのチームが2020年11月11日,通信ネットワークに機械学習を応用し実世界での課題を解決することを目的とした「ITU AI/ML in 5G Challenge」大会で発表を行い,日本国内上位3チームに選出されたうえ,最優秀賞を受賞しました。望月先生と孫さんは,12月に全世界でオンライン開催されるITU Final Conferenceに参加する予定です。

望月先生と孫さんは,大会が提示した三つのテーマの中から,「リアルタイムストリーミングサービスにおける映像解析によるネットワーク状態推定」を選び,リアルタイムで機械学習を用いることで,ネットワーク状態(スループットとロス率)を推定しました。

このテーマは,新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により,世界中でZoomなどウェブカメラを利用したテレワークシステムの利用が急増し,結果として極度の輻輳状態が発生している現代社会特有の課題解決に寄与しうるタイムリーな研究分野です。同チームが開発した機械学習モデルでは,与えられたリアルタイム動画のデータセットから,ディープラーニングを用いて,ネットワークの状態推定として96.3%の認識精度を達成しました。

望月先生と孫さんが構築したモデルは,ニューラルネットワークを利用しており,

  1. ①軽量モデル:計算時間が少ない(1秒で500個のビデオのネットワーク状態を推定できる)
  2. ②ポータブル:特定なプラットフォームに依存しない

といった利点が評価されたことが,最優秀賞受賞につながりました。

機械学習は今や,社会のライフラインである通信ネットワークのあり方を左右するもので,今回の発表は,未来のネットワークに機械学習を適用する方法の一つを提案するものです。このモデルを用いて将来,通信速度の低下,通信の遅延対策の向上や通信システム自体の改善が実現できる可能性があり,今後の活用が期待されます。