長谷川繁雄初代学院長先生を偲ぶ「閑堂忌」,オンラインで記念講演

記念講演する田中智子・京都大学大学院教育学研究科教授/京都情報大学院大学非常勤講師
記念講演する田中智子・京都大学大学院教育学研究科教授/京都情報大学院大学非常勤講師

創立60周年を迎えた京都コンピュータ学院(KCG)の創立者で初代学院長の長谷川繁雄先生の命日である「閑堂忌」(7月2日)に当たって,KCGグループは記念講演「長谷川繁雄初代学院長のこころざし-“還暦”を迎える『私塾』の精神-」をオンライン配信しました。学生・教職員がそれぞれの時間・場所で視聴し,情報処理技術教育のパイオニアとして尽力された先生のご遺徳を偲びました。閑堂忌を前に2023年6月30日には,学生ら関係者が菩提寺の百万遍知恩寺にある墓にお参りしました。

長谷川繁雄先生は1986年7月2日,享年56歳で逝去され,2023年は没後37年となります。「閑堂」は先生の雅号で,「世俗から離れ,瞑想にふける閑静な空間」を意味しています。

記念講演は,京都大学大学院教育学研究科教授で京都情報大学院大学非常勤講師の田中智子先生が行いました。長谷川靖子現学院長と共に京大で学んだ長谷川繁雄先生の後輩にもなる田中教授は,2021年の閑堂忌に「長谷川繁雄初代学院長と京都大学-理念の源流を探る-」,2022年には「長谷川繁雄初代学院長の四半世紀-時代とことば-」を講演していて,今回は同教授の記念講演第3部です。過去2回の講演では,長谷川先生の若き日々の歴史的考察からKCGの理念の源流を明らかにし,先生が亡くなるまで四半世紀のKCGの歩みを先生の残した「ことば」を通し振り返りました。

田中教授は「KCG創立60周年というのは人間であれば還暦という節目の年になります」としたうえで,「昔の記録を探っていたところ,長谷川繁雄先生の自筆履歴書という貴重な資料に出会うことができ,(そこには創立10年前の)1953年に私塾を設立したという文字がありました」と紹介。履歴書で長谷川先生が,同年4月に「私塾養正塾」を開いてから1969年に京都コンピュータ学院学院長に就任するまで,ほぼ一貫して「私塾塾頭」と自らを位置づけていたこと,KCGがその発足後も「自主的な学則制定」「コンピュータ利用の自由実習」「個人指導」「開かれた教育」など,私塾の精神・理念を受け継いできたことを説明しました。

そして田中教授は「長谷川繁雄初代学院長が愛好された『民間』『私立』という言葉から想起するのは,明治初めの民間,私立の教育事業です」と,同志社を創立した新島襄,慶應義塾の福沢諭吉に言及。田中教授は「こうした人たちの持つ民間,私塾あるいは私立といった理念の実質と重なり合う形で,長谷川繁雄先生の教育の営みは位置づけられると思います。KCGは今年で60年,私塾の前史を入れるなら70年。長谷川繁雄先生が改めて思い起こされ,(私塾の精神は)われわれが後世に引き継いでいかなければならない教育理念なのではないかと考えております」と語り,講演を締めくくりました。

6月30日は,学生・教職員とも授業などを優先しながら,それぞれ時間を調整して墓参しました。知恩寺を訪れた学生たちは,墓前で手を合わせ,先生のご冥福とKCGグループのいっそうの発展をお祈りしました。