「ひらめき☆ときめきサイエンス」開催,中・高校生が大学院の研究成果に触れました

中・高校生がアイデアを出し合い火星定住者の物語を作り上げました(2025年8月8日,KCGI京都本校百万遍キャンパス)
中・高校生がアイデアを出し合い火星定住者の物語を作り上げました(2025年8月8日,KCGI京都本校百万遍キャンパス)

学校法人情報大学 京都情報大学院大学(KCGI)は2025年8月8日,ワークショップ「生成AIとデジタルマンダラを活用して火星定住者の物語の動画をつくりましょう!」をKCGI京都本校百万遍キャンパスで開催し,参加した中学生・高校生たちが大学院の研究成果を体験しました。

今回のワークショップは,青木成一郎KCGI教授が中心となって開発中の協創(異なる立場・業種の人が協力して新しいものをつくること)プラットフォーム・digital Mandala(デジタルマンダラ)と生成AIを実際に使ってみる内容で,独立行政法人日本学術振興会の「科研費」(KAKENHI)により大学や研究機関で行われている最先端の研究成果に小・中・高校生が直接触れることのできる「ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI」プログラムの一つとして実施されました。

はじめに,青木教授が自身が研究者を目指したきっかけや天文教育普及活動への取り組みから,若いみなさんに研究に興味を持ってもらい,研究の楽しさである「わかった」感を感じてほしいと話しました。そして,生成AIは何をどのように行っているのか,それに対して私たちはどう対応していかなければならないかを説明,AI時代の学習をサポートするために開発中のプラットフォーム・digital Mandalaについて紹介しました。

ワークショップでは,グループに分かれ,それぞれが持ってきた画像を見せてなぜその画像を選んだのかを説明するところからはじめ,火星でどのように楽しみながら日常的な生活ができるか,アイデアを出し合い意見をまとめていきました。単なる想像ではなく,火星の環境について確認し,合理的な理由を踏まえて明確に示すことが求められるため,参加者は真剣そのもの。気温や大気などの環境,食糧や水,電源確保はどうするかといった生活の必須条件だけではなく,生活を楽しむための娯楽についても考えました。光回線を使うと地球とのタイムラグはどのくらいになるのかと計算をはじめる中学生の姿もあり,新しい発想の場を生み出す場として設計,設置した「イノベーションルーム」の壁はたくさんのアイデアで埋まっていきました。その後,digital Mandalaに話し合った内容を入力すると,AIがストーリーを書き出し,さらに修正を加えて皆のアイデアを結集した物語を作り上げました。

大講義室で堂々と発表し,大きな拍手をもらいました
大講義室で堂々と発表し,大きな拍手をもらいました

発表会では,各グループが物語のコンセプトを説明し,物語からAIが生成した動画を鑑賞しました。同じスタート地点から,グループごとにまったく異なる物語が生み出され,お互いに大きな拍手を贈り合いました。参加した中・高校生からは「楽しく学ぶことができてよかった」「思っていたより作り手の人間性が反映される」「将来自分も研究をしてみたいと思った」といった声が聞かれました。終了式では,一人ひとりに寺下陽一KCGI学長より「未来博士号」が手渡されました。