KCGI創立22周年,記念式で京大フィールド研センター長が講演

KCGI創立22周年記念式が2025年11月14日,KCGI京都駅前サテライト・KCG京都駅前校6階大ホールで開かれ,京都大学フィールド科学教育研究センターの舘野隆之輔センター長が講演しました
KCGI創立22周年記念式が2025年11月14日,KCGI京都駅前サテライト・KCG京都駅前校6階大ホールで開かれ,京都大学フィールド科学教育研究センターの舘野隆之輔センター長が講演しました

学校法人情報大学 京都情報大学院大学(KCGI)は2025年11月1日に創立22周年記念日を迎え,同14日,KCGI京都駅前サテライト・京都コンピュータ学院(KCG)京都駅前校6階大ホールで創立記念式が開かれました。記念式では,このほどKCGI・KCGと連携協定を結んだ京都大学フィールド科学教育研究センター(フィールド研)の舘野隆之輔センター長が,「情報技術とフィールド科学の融合~人と自然の関係再構築に向けた森里海連環学の新しい挑戦~」の題で講演しました。KCGIは2025年,学校法人名を「情報大学(The University of Informatics)」に改め,4月新年度の入学定員を創立当初の12.5倍となる1,000名に増員しました。創立記念式で学生・教職員は,発展著しいKCGグループの建学の精神であるパイオニア・スピリットを改めて思い,さらなる飛躍を誓いました。

講演で舘野センター長は,自身と研究内容を紹介したうえでフィールド研の概要,研究・教育・社会連携について詳しく説明。KCGグループが最先端の知見を持つ情報技術と,フィールド科学の融合の必要性について解説しました。そして「情報技術とフィールドサイエンスの連携協定は,日本どころか世界でも初めてだと思います。IT人材とフィールド科学者が共同することで超学際的な貢献をしていきます」と意義を強調。また,「異分野あるいは異文化の交流が生まれる」と,京大とKCGI・KCGの学生交流にも期待を寄せ,「われわれは山も船も無人島も持っていますので,その現場で(KCGI・KCGの学生に)普段しないような実習をしてもらいたい」と呼びかけました。

KCGI・KCGとフィールド研は2025年10月30日, IT分野とフィールド科学の融合を目指した連携協定を締結しました。フィールド研は,京大大学院の農学研究科と理学研究科が長年にわたって森林域,里域,海域の教育研究の現場としてきた各施設を統合し,学内共同教育研究施設として2003年に発足。森から海に至る様々な生態系の相互作用を生物や物質の視点から解明する一方,そこで育まれる人々の営みや文化も解析し,環境重視の自然とのつきあい方を考える統合的な学問領域である「森里海(もりさとうみ)連環学」を提唱しています。今回協定の両者は,森里海連環学に関し相互に連携・協力して情報通信技術の応用の取り組みを進め,教育・研究・社会連携活動発展に寄与したい考えです。

舘野センター長は京大農学部卒業後,同大学院農学研究科で地域環境科学森林生態学を専攻し,博士号(農学)を取得。総合地球環境学研究所研究員,鹿児島大学助教授・准教授,京大准教授などを経て,2021年4月フィールド研教授,2024年4月からセンター長です。専門分野は森林生態学,生態系生態学で,主に森林生態系での窒素循環に関する研究を国内外の森林で行っており,近年は特に土壌微生物の機能に着目した研究を進めています。フィールド研で取り組んでいる森里海連環学や里山里海共創に関する超学際プロジェクトを,研究者だけでなく企業や市民と連携して推進しています。

KCGIは,1963年に創立した日本最初のコンピュータ教育機関であるKCGのパイオニア・スピリットを受け継ぎ,日本最初のIT専門職大学院として2004年に開学しました。応用情報技術研究科ウェブビジネス技術専攻を設置,情報系・経営系の二つを専門領域とし,修了するとIT応用分野の最高学位である情報技術修士(専門職)が授与されます。専門分野科目群として▽人工知能▽データサイエンス▽ウェブシステム開発▽ネットワーク管理▽グローバル・アントレプレナーシップ▽ERP▽ITマンガ・アニメ▽観光IT▽ITエンターテインメント-を,産業科目群として▽金融▽農業▽海洋▽医療・健康▽教育-を設置しています。日本国内の学生に加え,英語による講義を多数開講していることもあってアジアや欧米,アフリカ,中南米から多くの留学生が集まり,世界のIT業界を牽引する高度専門職業人を目指して学びを進めています