京都コンピュータ学院(KCG)と京都府立京都すばる高等学校(京都市伏見区,貴島良介校長),三重県立亀山高等学校(三重県亀山市,辻宣久校長),京都市立日吉ヶ丘高等学校(京都市東山区,太山陽子校長)の4校が2025年12月23日,KCGのグループ校・学校法人情報大学 京都情報大学院大学(KCGI)百万遍キャンパスに設置されているハイフレックス(Hybrid-Flexible)仕様教室の遠隔講義システムを使って「生成AIの実践的な活用」をテーマとした実証授業を実施しました。生徒・学生たちはChatGPTを活用し,AIで小説を書き上げる体験をしました。
文部科学省から採択された,KCGと京都すばる高校が連携して一貫教育することによりIT人材を育成する「専門学校・高等学校連携による中核的IT専門職人材の加速型育成プログラムの開発・実証」プログラムの一環行事。これに賛同した亀山高校と日吉ヶ丘高校も参加し,最先端のIT教育環境での学びを体験しました。
今回,生成AIを創作活動にどのように活用できるかを体験するため,テーマとして「生成AIの活用 ―創作活動に活用できるか―」を掲げました。授業の前半では,本プロジェクトに協力いただいているBIPROGY株式会社より,「知って,遊んで,考えて,創ってみよう」と題した講演をしていただきました。急速に進化するAI技術の現状や,AIが実際にどのような成果物を生み出せるのかについて,具体例を交えて紹介いただきました。参加校の校歌や学校紹介ポスターをAIで生成した事例は,生徒たちにとって特に印象的だったようです。
後半の部は,実際にAIを用いて小説を創作する実習。まず,生徒たちはAIにブレインストーミング用のテーマ案を生成させ,その中から興味のある題材を選択します。使用したのはChatGPTの無料版で,主人公の性格・性別・年齢,物語の舞台設定(未来世界や高校の教室など)を自分たちで決め,AIに提示しました。AIが生成した冒頭部分を読み,内容の修正や方向性の調整を指示しながら物語を形作っていきました。
生成された冒頭をもとに,生徒たちは物語の起承転結や伏線,展開のひねりなどを自ら考案し,AIに続きを執筆させました。物語がある程度まとまった段階では,最も盛り上がる場面を選び,そのシーンの挿絵をAIで生成する活動にも挑戦しました。
授業はKCGIのハイフレックス教室を拠点に,参加校とZoomで接続して実施しました。互いの声が常に聞こえ,教室の様子も映像で共有される環境のもと,中間報告や最終発表では画面共有を用いて作品を紹介し合いました。生徒同士が互いの小説を読み,挿絵を見せ合う場面では,終始和やかな雰囲気が広がりました。
参加した生徒からは,「AIが小説や挿絵といったクリエイティブな活動にも活用できることを実感できた」「プロンプトの工夫で文章がどう変化するのか体験的に理解できた」といった声が多く寄せられました。また,ハイフレックス環境についても「相手校の様子がよく分かり,同じ教室にいるのとほとんど変わらない」と好評でした。
KCGと京都すばる高校の「専門学校・高等学校連携による中核的IT専門職人材の加速型育成プログラムの開発・実証」は,2021年10月に文部科学省の「専修学校による地域産業中核的人材養成事業」に採択されました。デジタル技術の進歩によりビジネスや産業構造が変革する中にありながら,わが国においてはIT人材,とりわけ専門知識に精通し技術部門と経営部門両面をビジネスとしてとらえることができる中核人材の不足が深刻化しています。そのような中,職業系専門学科がある高等学校と専修学校が連携し,効率化された一貫カリキュラムを開発,実施することで技術系分野の教育を加速させ,5年間でIT中核人材を育成するのが狙いです。一貫カリキュラムは京都すばる高等学校 情報科学科の2022年4月入学生から適用しています。
KCGIのハイフレックス仕様教室は,グループワークやプレゼンテーションなど,学生が主体となって参加するアクティブラーニングによる能動的な学習や,対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド授業などさまざまな授業・講義形態に柔軟に対応できるよう設計されています。スマートディスプレイや集音マイク・スピーカーなどを装備し教育と学習のためのシームレスな環境を構築し,教室内やオンライン上など受講する場所の影響を受けず一緒に授業・講義を受けることができます。教室内の壁は全体がホワイトボードとして利用でき,アイデアボードとしても機能します。