狂言会で校友の茂山茂さんら熱演―創立45周年記念行事が幕開けしました!

京都コンピュータ学院(KCG)45周年記念行事の幕開けを飾る記念狂言会が10月29日午後6時から,京都駅前校6階ホールで開かれ,校友(情報処理科卒)で狂言界の若手ホープとして活躍中の茂山茂さんらがユーモアあふれる伝統芸能を熱演,訪れた多くの人たちは古典の上質な笑いを堪能しました。

出演したのは茂山茂さんのほか,茂山正邦さん,茂山逸平さんら5人。公演の冒頭,茂山茂さんがあいさつに立ち「中学時代,パソコンに興味を持ち,この世界でもひとりくらいはパソコンができる人がいてもいいのではないかと思い,KCGに入学しました」と自らを紹介し,「1年生の成績は結構,良かったのですが,2年生になって途端に難しい内容になり,さっぱりでした。今はコンピュータとは全く縁のない世界に生きています」と観客の笑いを誘いました。

さらに狂言の楽しみ方として「お客さまの笑いが役者の呼吸・リズムを生む。伝統芸能ということで堅苦しくならず,おもしろかったら思いっきり笑ってください」「狂言は大道具を使わないので,役者が場所設定を台詞の中で紹介します。それを“つもりの芸”といいます。お客さまは場面を想像しながら,役者がそのような場所にいる“つもり”になって楽しんでください」と話しました。

演目は「附子(ぶす)」「梟(ふくろう)」の2題。「附子」では,トリカブトの根っこからとれる猛毒(附子)をめぐり,召使の太郎冠者,次郎冠者と,主(あるじ)のユニークなかけ合いを熱演,洗練された台詞や動作による絶妙な掛け合いで会場は笑いに包まれました。「梟」は,茂山茂さんが務める法印(山伏)が,梟がとり憑いた若衆に懸命に祈祷する内容で,茂山茂さんの迫力ある発声,動作は,観客を魅了しました。

茂山茂さんは1975年,京都大蔵流狂言師・茂山正義氏(現十三世千五郎)の次男として生まれ,4歳のときに小舞「柳の下」にて初舞台を踏み,その後「千歳」「三番三」「釣狐」を披(ひら)きました。日々,自らの芸を磨く一方,従兄弟の茂山宗彦さん・逸平さんらとともに「花形狂言少年隊」(その後「HANAGATA」)を結成して自主公演を続け,昨今の狂言ブームの礎を築きました。