KCGと高専連携の京都すばる高校生が,夏期集中講義でプログラミングを学びました

京都コンピュータ学院(KCG)とIT人材育成の一貫教育で連携している京都府立京都すばる高等学校情報科学科の生徒が2023年8月7,8の両日,KCGで夏期集中講義を受講しました。両校は文部科学省の「専修学校による地域産業中核的人材養成事業」に2021年度以降採択されています。高等学校と専修学校が効率化された一貫カリキュラムを開発,実施することにより技術系分野の教育を加速させ,5年間でIT中核人材の育成を目指しています。一貫カリキュラムは京都すばる高等学校の2022年4月入学生から適用。夏期集中講義は今回2度目で,両校の取り組みが着実に進んでいます。

受講したのはIT,プログラミングを学んでいる1,2年生。京都すばる高等学校ではシステム開発の基本としてC言語とJava言語を学んでいますが,集中講義ではWeb開発の基本であるHTML,CSS,JavaScriptに挑戦しました。1日目はC言語との比較を通してそれぞれの言語に対する理解を深め,どのように画面を作りプログラムで制御するかを学び,2日目にはSNSの投稿と機能を模したプログラムを完成させました。集中講義翌日にはKCG教員が引率して,神戸市のポートアイランドにある理化学研究所計算科学研究センターを訪れ,スーパーコンピュータ「富岳」を見学しました。

参加されたみなさんから次のような感想をいただきました。

  • HTMLやJavaScriptをやってみたいと思っていたので,授業はとても興味深いものばかりでした。
  • 感覚的に理解できるような授業だったので面白かったです。慣れてない分難しいと感じたけど,仕組み自体はある程度理解できるものだったから楽しかった。
  • 前から独学でウェブサイトを勉強してはいたのですが,分からないことが多くて保留にしていました。しかし,今回の講義でウェブサイトのことを学習できたので,時間があるときにサーバーとドメインを借りて実際に何かを作ってみたいと思います。今回はたくさんの事を教えていただきありがとうございました。
  • Webを作るのは,とっても楽しかったです。初めてのことで全然分からなかったけど,自分の思い通りにできると「すげえええ!」って,なりました。またやってみたいです。

両校が進める「専門学校・高等学校連携による中核的IT専門職人材の加速型育成プログラムの開発・実証」「専修学校による地域産業中核的人材養成事業」の詳細
https://www.it-edu.kyoto/

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日本最大規模のインディーゲームイベント「BitSummit」の出展・運営に協力しました

ボランティアスタッフ・展示で参加した教員・学生たち

京都コンピュータ学院(KCG)は2023年7月14日~16日の3日間,京都市勧業館「みやこめっせ」で開催された日本最大規模のインディーゲームの祭典「BitSummit Let’s Go!!(ビットサミット レッツゴー)」の出展およびイベント運営に協力しました。

今年のBitSummitは,数百本の出展希望者の中から選ばれたインディーゲーム,そして任天堂やソニー・インタラクティブエンタテインメント(PlayStation)をはじめ多数の企業が協賛し,会場内には約200のブースが出展されました。メインステージではクリエイターによるトークイベントが,インフルエンサーブースでは,「わいわい VS インディーゲーム14時間耐久配信リターンズ」など人気ゲーム実況者,インフルエンサーによるブースイベントが行われ,総来場者数は3日間合計で過去最高となる23,789人を記録しました。

KCGは今年もブースを出展し,多くの方に学生作品で遊んでいただきました。お越しいただいた皆様,ありがとうございました。

展示作品をクリエイターに遊んでいただける機会も多く,その場で感想を聞き取り,次の日には改良を加えたバージョンを展示するなど,制作した学生らは3日間をフルに活用して一気に経験を積むことができました。

KCGブースにはゲーム業界などで活躍する卒業生が20名以上来てくれました。
卒業生から近況報告を聴いているとまた他の卒業生が次々とやってくるなど,まるで同窓会のようなシーンも度々ありました。卒業生らは後輩が業界に辿り着けるように熱心にアドバイスもしてくれていました。

その卒業生の一人でもある豊田さんは今回,個人で制作されたゲーム『Out of the World』で多数の応募作品の中から出展枠を獲得されました。『Out of the World』は豊田さんがKCG在学中に制作を開始されたゲームで,学内外のコンテストにおいても受賞・入賞を重ね,2023年2月26日に開催した「KCG AWARDS 2023-学生作品発表会-」においても創立60周年特別賞を獲得されています。

KCG AWARDS 2023-学生作品発表会-
https://www.kcg.ac.jp/event/awards2023.html

豊田さんはその後もゲーム会社に勤務しながら個人でも制作を続け,同作の完成度を高めようと取り組まれていました。その結果,今回200近い出展がある中,メディアにも注目されて同作の記事がリリースされています。

『Out of the World』はインターネット社会で傷ついた主人公が、“見たものしか存在しない世界”を旅するパズルアクション【BitSummit Let’s Go!!】|ファミ通.com
https://www.famitsu.com/news/202307/26310796.html

BitSummitに出展された“目に見えるもの/見えないもの”をテーマにしたアイデアあふれる2つのタイトルを紹介|4Gamer.net
https://www.4gamer.net/games/724/G072402/20230716012/

【吉田輝和のBitSummit絵日記】見てないモノは存在しないパズルACT『Out of the World』・レトロでハードボイルドなADV『和階堂真の事件簿 TRILOGY DELUXE』|Game*Spark
https://www.gamespark.jp/article/2023/07/17/132109.html

2023年9月にリリース予定の『Out of the World』はSteamで体験版がプレイできますので,ぜひ遊んでみてください。

『Out of the World』|Steam(リリース予定日2023年9月)
https://store.steampowered.com/app/2340380/Out_of_the_World/

BitSummitでは連携イベントとして,日本全国の専門学校や大学などの学生が混成したチームを組み,テーマに沿ってゲーム制作を行う「BitSummit Game Jam」が開催され,KCGの学生も多数参加しました。今年のテーマは「For The Future」。今回は「京都(関西)」と「東京(関東)」で会場を設け,さらに中国の学生が京都と東京のチームに加わって約250名の計24チーム(12チーム×2会場)が結成される大規模なゲームジャムとなりました。

参加者数が多い今年は京都と東京で1作品ずつ優秀賞を選出,さらにその2本のどちらかが最優秀作品として選ばれることになりました。

審査の結果,過去から最適な物資を送って未来を発展させて救う「HomeToHope」,宇宙でクジラを操作しながら隕石を破壊して地球を守り抜く3Dアクションゲーム「CETUS」が優秀賞に選ばれ,京都組の「HomeToHope」が「ゲームジャム最優秀作品賞」に選ばれました。

HomeToHope【BitSummitGameJam】
https://www.youtube.com/watch?v=zcsV0hD4aog

BitSummitの最後にメインステージで行われた表彰式には,制作チームを代表してKCGゲーム学科2回生の鈴木さんと大柿さん,京都精華大学の杉本さんの3名が登壇。鈴木さんがトロフィーを受け取り,制作時の苦労を思い返しながら喜びをコメントしていました。

表彰式後には,メディア向けの受賞者,プレゼンター,実行委員の集合写真撮影が行われ,ゲームジャム受賞者も参加しました。学生らが最前列中央にいる集合写真は,多くのゲームメディアがWebおよび雑誌で報じたBitSummitに関するレポート記事にも掲載されていました。
いつも見ているメディアに自分自身や作品が掲載されて受賞学生が感動する一方,惜しくも受賞を逃した学生は今回の経験と悔しさをバネにして早速次のゲーム制作に取り掛かっています。KCGではBitSummitゲームジャムで制作した作品・担当箇所が評価されてゲーム会社のスカウトに繋がったケースもあり,このゲームジャムは業界を目指す学生にとって重要な作品制作の機会となっています。

KCGは第2回から実行委員としてイベント運営に関わり,イベント当日の受付,会場内の誘導や問い合わせ対応をはじめ,前日の設営準備からイベント終了後の撤収作業を本学院の教員・学生がスタッフとして協力しています。
今年もスタッフ希望者を募り,応募者の中から面接を行って選ばれた130名の学生が事前に研修等を行ってからイベント運営に参加し,イベント前日の7月13日から会場内で準備に取り掛かりました。

イベント当日は開場時から大行列が発生するなど,多くの方がお越しになりました。それに伴い臨機応変に対応を求められる場面も多くありましたが,学生スタッフは目的を常に意識しながらどうすべきかを自分達で考え,各持ち場のチーム同士で調整を行って対応しました。
BitSummitは主要なゲームメディアで大きく取り扱われるイベントであり,スタッフを担当した学生にとっては,自分達がその大きなイベントの準備~本番を支え,やり遂げることで大きな達成感や成功体験を得る機会にもなっています。

本学院にとってBitSummitは,学生が学びと刺激,ゲーム制作の機会と意欲が得られる重要なイベントとなっています。これからもKCGは業界が求める人材育成に取り組みながら,BitSummitをはじめとするイベント開催への協力等を通じて,業界に貢献できるよう取り組んでまいります。

BitSummitならびにKCGブースにご来場いただいた皆様,そして実行委員の皆様,誠にありがとうございました。

「KCGサマーフェスタ2023」第二弾開催,小中学生がプログラミングを楽しみました

「はじめてのプログラミング講座」で児童らはまず,好きな画像を選んで主人公や敵を設定しました
「はじめてのプログラミング講座」で児童らはまず,好きな画像を選んで主人公や敵を設定しました

京都コンピュータ学院,京都情報大学院大学,京都自動車専門学校などKCGグループの恒例イベント「KCGサマーフェスタ2023」の第二弾「はじめてのプログラミング講座」と「ゲーム制作から学ぶプログラミング講座」が2023年8月5日(土),京都コンピュータ学院 京都駅前校・京都情報大学院大学 京都駅前サテライトで開かれました。

「はじめてのプログラミング講座」は,小学児童を対象にした毎年人気の講座です。マウスでの操作をメインにしたプログラミングで,児童たちがゲーム作りに挑戦しました。今回作成したのは上から大量に出てくる敵を避けながら,アイテムをとって制限時間内にどれだけスコアを伸ばせるかを競うゲーム。ほとんどの児童がプログラミングは初めてでしたが,京都コンピュータ学院の教員や学生に教えてもらいながら,プログラミングでは非常に重要な条件分岐に取り組み,敵と当たったらどうするか,アイテムを取ると何点取れるかなど,思い思いに実装しました。児童たちは自由な発想で,どんなことがしたいというアイデアを出し,最後には全員がゲームを完成させて笑顔を見せていました。

「ゲーム制作から学ぶプログラミング講座」は中学生が対象。制作するゲームは「はじめてのプログラミング講座」と同じながら,実際にはどのようにプログラミングされているか,どのようにゲームが動くのかをソースコードを見ながら確認しました。参加者は自分の選択や判断がプログラムに反映されることを理解し,納得して作業を進めていました。変数,条件分岐,繰り返しといったプログラミングの重要な考え方をしっかり学んだ参加者は,「本格的なプログラミングは初めてだったけど,短時間でたくさんのことを教えてもらって,とても楽しかったです」「家でもまたやってみたい」とプログラミングへの興味をさらに深めていました。

「KCGサマーフェスタ」は,京都コンピュータ学院の創立者で初代学院長の長谷川繁雄先生の命日である7月2日の「閑堂忌(かんどうき)」に合わせ,より開かれた教育機関としての使命を果たそうと2010年から毎年開催しているイベントで,多くの方々に親しまれています。

中学生らはゲーム制作を通じ,どのようにプログラミングされているのかをしっかり確認しました
中学生らはゲーム制作を通じ,どのようにプログラミングされているのかをしっかり確認しました

「KCGサマーフェスタ2023」第一弾開催,児童・生徒のみなさんにご参加いただきました

参加した児童・生徒や保護者のみなさんは,情報処理技術遺産に認定された機器をはじめとしたコンピュータの数々に見入りました
参加した児童・生徒や保護者のみなさんは,情報処理技術遺産に認定された機器をはじめとしたコンピュータの数々に見入りました

京都コンピュータ学院,京都情報大学院大学,京都自動車専門学校などKCGグループの恒例イベント「KCGサマーフェスタ2023」の第一弾「天文ワークショップ 〜宇宙の広大さを知りましょう!~」「コンピュータの歴史」が2023年7月23日(日),京都コンピュータ学院 京都駅前校・京都情報大学院大学 京都駅前サテライトで開かれました。参加した児童・生徒や保護者のみなさんは,IT(情報技術)の今昔に触れ,充実した夏休みの一日を過ごしている様子でした。第二弾「はじめてのプログラミング講座」「ゲーム制作から学ぶプログラミング講座」は8月5日(土)に開催します。

「KCGサマーフェスタ」は,京都コンピュータ学院の創立者で初代学院長の長谷川繁雄先生の命日である7月2日の「閑堂忌(かんどうき)」に合わせ,より開かれた教育機関としての使命を果たそうと2010年から毎年開催しているイベントで,多くの方々に親しまれています。

天文ワークショップ 〜宇宙の広大さを知りましょう!〜
街明かりがない暗い夜空には星がたくさん見えますが,宇宙には星がどれだけあるのでしょうか?おおよそ1兆×1000億個だとされています。この無数の星々の一つが太陽であり,わたしたちは太陽の周りを回る地球上の小さな存在です。京都大学大学院理学研究科附属天文台/天文普及プロジェクト室の協力の下,最先端の知見に基づき構成されたワークショップで参加者たちは,貴重な天文映像を見ながら,果てしなく広がる宇宙を体感しました。宇宙旅行も夢ではなくなってきた時代に参加者の興味は尽きず,予定時間を延長して盛り上がりました。講師は青木成一郎・京都情報大学院大学准教授が務めました。

コンピュータの歴史
KCGコンピュータミュージアムは,歴史的に貴重なコンピュータを数多く保管し,一般社団法人 情報処理学会より2009年,「分散コンピュータ博物館」の全国第一号指定を受けています。KCG資料館館長の千葉博人・京都情報大学院大学教授が,これらのコンピュータを紹介しながら発展の歴史を解説するとともに,1960年代に開発された大型コンピュータと現代のノートパソコンの計算処理速度などを比較し,その進化の歩みなどを紹介しました。
参加者たちは館内のコンピュータを見学して大きさの変化などを実感したり,貴重な昔のパソコン(PC8001,FM-8,ベーシックマスターなど)でプログラミングに挑戦したりと,親子で楽しんでいました。

当日の様子は,京都新聞でも紹介されました。

昔のコンピュータでプログラミングに挑戦
昔のコンピュータでプログラミングに挑戦

「KCGサマーフェスタ2023」を開催します。奮ってご参加ください!

京都コンピュータ学院,京都情報大学院大学,京都自動車専門学校などKCGグループは,恒例の「KCGサマーフェスタ2023」を,7月と8月に開催します。7月23日(日)は小・中・高校生および保護者対象の「コンピュータの歴史」と「天文ワークショップ 〜宇宙の広大さを知りましょう!」, 8月5日(土)は小学生対象の「はじめてのプログラミング講座」と中学生対象の「ゲーム制作から学ぶプログラミング講座」です。ご家族や友達とお誘い合わせのうえ,奮ってご参加ください。

詳細とお申し込みは「KCGサマーフェスタ2023」 https://kcg.edu/summer-festa/2023/ のページで。

「KCGサマーフェスタ」は,京都コンピュータ学院の創立者で初代学院長の長谷川繁雄先生の命日である7月2日の「閑堂忌(かんどうき)」に合わせて2010年から毎年開催しているイベントで,学内外の多くの方に親しまれています。

「ChatGPT/生成AIワークショップ」開催,生成AIの未来を探りました

「ChatGPT/生成AIワークショップ」のグループワークではそれぞれのテーマに取り組みました
「ChatGPT/生成AIワークショップ」のグループワークではそれぞれのテーマに取り組みました

京都情報大学院大学(KCGI)・京都コンピュータ学院(KCG)と,ITサービス大手のBIPROGY株式会社が共同で設置している「未来環境ラボ」による「ChatGPT/生成AIワークショップ」が,2023年6月17日(土),18日(日),24日(土)の3日間にわたり開催され,KCGI・KCGの学生たちが,ChatGPTをはじめとした生成AIの新たな活用方法や問題への対応など,さまざまな課題に取り組みました。

初日は,未来環境ラボの中口孝雄KCGI准教授がChatGPTと生成AIの概要や現状,本ワークショップの目標について説明した後,人工知能の専門家である石田亨 京都大学名誉教授による基調講演が行われました。石田教授は,「私たちに生成AIの未来は見えているか」と問い掛け,「私たちの仕事は未来を実装すること。このワークショップで生成AIの未来を描いてみてほしい」と話されました。その後,KCGI・KCGの多彩な学習分野を反映して設定したサブテーマ,「ゲーム」「マンガ・アニメ」「教育」「観光IT」のそれぞれのグループに分かれ,本学教員がファシリテータとなり,石田教授やBIPROGY社総合技術研究所主席研究員の三浦仁KCGI教授らから直接アドバイスを受けながら,テーマについての話し合いを進めました。ワークショップはオンラインも併用したハイブリッド形式で実施。日本,中国,ネパール,インドなど多様な国籍の学生たちがグループワークに参加しました。AIを社会の現場に適用しているBIPROGY社の横山秀雄様による技術事例紹介もあり,学生たちは知識を深めながら,テーマを掘り下げていきました。

2日目には,株式会社スクウェア・エニックスや理化学研究所,東京大学などでゲームにおける人工知能を研究し,大型ゲームの人工知能を製作している三宅陽一郎先生による「生成AIとデジタルゲームの未来」と題した特別講演が行われました。ワークショップでそれぞれが取り組んでいる課題について紹介するグループ交流会では,互いの状況を共有し,活発に意見交換をしていました。

最終日のプレゼンテーションでは,全6チームが,3日間の成果を発表。その結果, 10年後を想定し,ChatGPTや生成AIを活用して“移動”を“体験”に変化させる新しいビジネスモデルを提案した観光ITチームの「MetaRide Kyoto 移動から体験へ」が最優秀賞に輝きました。また,BIPROGY賞に,マンガ・アニメチームの「AIが作ったイラストとの向き合い方」が選ばれました。BIPROGY社総合技術研究所センター長の香林愛子様からは,「生成AIという広いテーマの中から,企業でも悩んでいる向き合い方について,学生の皆さんがそれを取り上げ,コンプライアンスではなく倫理という面で向き合い,問題提起をしたというのが素晴らしい」とコメントをいただきました。学生達からは,「いろいろな人と話すのが楽しかった」「意見を出し合うことで,思わぬ答えが生み出されることを実感しました」「今回の経験で身についたことが多かったです。ぜひ他の友達にも勧めたい」といった意見が寄せられました。

「未来環境ラボ」は,BIPROGY社の第一線の研究員とKCGI・KCGの教員が,新鮮な発想を持つ学生とともに,共同プロジェクトを推進していく産学共同の場です。「世の中にどんな技術があるかを知ればアイデアが湧く」,「アイデアを形にする力も訓練で向上する」と考え,物事をさまざまな観点からとらえ,現在はまだ存在しないものを自分で新たに生み出す経験を積む機会を学生に提供しています。

3日間の成果をプレゼンテーションで発表。「学生たちは生成AIにさまざまな面から向き合い,問題提起できた」と評価されました
3日間の成果をプレゼンテーションで発表。「学生たちは生成AIにさまざまな面から向き合い,問題提起できた」と評価されました
充実した3日間が終わりました。学生たちはこの経験をこれからの学習にも活かしたいと話していました
充実した3日間が終わりました。学生たちはこの経験をこれからの学習にも活かしたいと話していました

長谷川繁雄初代学院長先生を偲ぶ「閑堂忌」,オンラインで記念講演

記念講演する田中智子・京都大学大学院教育学研究科教授/京都情報大学院大学非常勤講師
記念講演する田中智子・京都大学大学院教育学研究科教授/京都情報大学院大学非常勤講師

創立60周年を迎えた京都コンピュータ学院(KCG)の創立者で初代学院長の長谷川繁雄先生の命日である「閑堂忌」(7月2日)に当たって,KCGグループは記念講演「長谷川繁雄初代学院長のこころざし-“還暦”を迎える『私塾』の精神-」をオンライン配信しました。学生・教職員がそれぞれの時間・場所で視聴し,情報処理技術教育のパイオニアとして尽力された先生のご遺徳を偲びました。閑堂忌を前に2023年6月30日には,学生ら関係者が菩提寺の百万遍知恩寺にある墓にお参りしました。

長谷川繁雄先生は1986年7月2日,享年56歳で逝去され,2023年は没後37年となります。「閑堂」は先生の雅号で,「世俗から離れ,瞑想にふける閑静な空間」を意味しています。

記念講演は,京都大学大学院教育学研究科教授で京都情報大学院大学非常勤講師の田中智子先生が行いました。長谷川靖子現学院長と共に京大で学んだ長谷川繁雄先生の後輩にもなる田中教授は,2021年の閑堂忌に「長谷川繁雄初代学院長と京都大学-理念の源流を探る-」,2022年には「長谷川繁雄初代学院長の四半世紀-時代とことば-」を講演していて,今回は同教授の記念講演第3部です。過去2回の講演では,長谷川先生の若き日々の歴史的考察からKCGの理念の源流を明らかにし,先生が亡くなるまで四半世紀のKCGの歩みを先生の残した「ことば」を通し振り返りました。

田中教授は「KCG創立60周年というのは人間であれば還暦という節目の年になります」としたうえで,「昔の記録を探っていたところ,長谷川繁雄先生の自筆履歴書という貴重な資料に出会うことができ,(そこには創立10年前の)1953年に私塾を設立したという文字がありました」と紹介。履歴書で長谷川先生が,同年4月に「私塾養正塾」を開いてから1969年に京都コンピュータ学院学院長に就任するまで,ほぼ一貫して「私塾塾頭」と自らを位置づけていたこと,KCGがその発足後も「自主的な学則制定」「コンピュータ利用の自由実習」「個人指導」「開かれた教育」など,私塾の精神・理念を受け継いできたことを説明しました。

そして田中教授は「長谷川繁雄初代学院長が愛好された『民間』『私立』という言葉から想起するのは,明治初めの民間,私立の教育事業です」と,同志社を創立した新島襄,慶應義塾の福沢諭吉に言及。田中教授は「こうした人たちの持つ民間,私塾あるいは私立といった理念の実質と重なり合う形で,長谷川繁雄先生の教育の営みは位置づけられると思います。KCGは今年で60年,私塾の前史を入れるなら70年。長谷川繁雄先生が改めて思い起こされ,(私塾の精神は)われわれが後世に引き継いでいかなければならない教育理念なのではないかと考えております」と語り,講演を締めくくりました。

6月30日は,学生・教職員とも授業などを優先しながら,それぞれ時間を調整して墓参しました。知恩寺を訪れた学生たちは,墓前で手を合わせ,先生のご冥福とKCGグループのいっそうの発展をお祈りしました。

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本年度もKCG・京都すばる高校一貫教育事業を文科省が採択,未来のIT中核人材育成へ

2021年度に始まった京都コンピュータ学院(KCG)が京都府立京都すばる高等学校(京都市伏見区,貴島良介校長)と連携して一貫教育することによりIT人材を育成するプログラム「専門学校・高等学校連携による中核的IT専門職人材の加速型育成プログラムの開発・実証」計画が本年度も2023年6月21日,文部科学省の「専修学校による地域産業中核的人材養成事業」に採択されました。事業費は2400万円(単年度)です。両校は高等学校と専修学校双方が効率化された一貫カリキュラムを開発,実施することで技術系分野の教育を加速させ,5年間でIT中核人材の育成を目指しています。3年目を迎え,両校の取り組みはさらに進むことが期待されます。

KCGは,高校在学中に学習した技術系科目の多くが進学先の専修学校においても基礎的な科目としてカリキュラムに含まれているため,これらの科目を重複して履修しているケースが起きていることに着目。京都すばる高等学校 情報科学科のカリキュラムとKCGの3年課程コンピュータサイエンス学系のカリキュラムを比較した結果,前者において3年間学習した専門科目は,後者のカリキュラムのほぼ1年分の学習内容に相当することが分かりました。両者の学習課程を連結した一貫カリキュラムを実施した場合,KCGの3年課程の学習内容を2年間で修了できることになります。これにより大学教育による技術修得の場合に比べて,2年程度の短縮が実現でき,本プログラムの学生にとっては,1年間の時間節約,1年間のコスト(学費,生活費など)節減が可能になります。

これまでに夏期集中講義やSDGsワークショップを実施。
高校・専修学校の一貫授業カリキュラム
https://www.it-edu.kyoto/
今後も下記のようなさまざまな取り組みを計画しています。

  • 京都すばる高校の生徒を対象にした実証授業(1年生・2年生)
  • ITパスポート試験対策動画コンテンツを活用した学習
  • ITパスポート試験トレーニングアプリの機能の強化
  • ハイフレックス教室を使った実証授業
  • 大手IT企業のエンジニアによる講演会
  • 理化学研究所 神戸キャンパスの社会見学
カテゴリー: News

RITから学生たちが来日し,「ゲームジャム」を開催しました

KCGとRITの学生が混合チームで開発に挑みました
KCGとRITの学生が混合チームで開発に挑みました

京都コンピュータ学院(KCG)の姉妹校である米国ロチェスター工科大学(RIT)から学生16名と教員らが来日し,2023年5月26日~28日に,KCGのデジタルゲーム学系の学生とRITの学生による「ゲームジャム」を開催しました。「ゲームジャム」は,クリエイターが集まり短期間でテーマに沿ってゲームを開発するイベントです。今回は,KCG・RIT混合の6チームで,3日間にわたり,約18時間でゲーム制作にチャレンジしました。

毎年,全世界で同じ日に同じテーマで開かれる世界最大のゲーム開発ハッカソン「Global Game Jam(GGJ)」はコロナ禍で2021年からオンライン(2023年はハイブリッド形式)で開催されるようになり,KCGの学生たちもRITの学生とコラボして参加しています。その中から,対面でゲームジャムを行いたいとの要望が双方から湧き起こり,今回のゲームジャム実現につながりました。

学生たちは,来日前からSNSを通じて交流を開始しました。「ゲーム開発」という共通の目標があること,過半数の学生は,GGJの参加者であったこともあり,初対面ながら,すぐに意気投合。翻訳ツールを駆使したり,KCGのグループ校京都情報大学院大学(KCGI)の学生も通訳としてサポートしたりして,言葉の壁をものともせずに,楽しんで共同開発に取り組んでいました。

ゲームジャム最終日には,それぞれのチームが作品を発表。現役クリエイターでKCG卒業生の塩谷祐也様とRainBros合同会社社長のAkira Thompson様をゲストに招き,コメントをいただきました。

KCGの学生は,「チームメンバーを常にリスペクトする姿勢に感銘を受けました」「言葉の壁で最初はなかなか話しかけることができませんでしたが,最後には英語とジェスチャーで意見の交換をしている自分にビックリしました」「短時間の開発は大変でしたが,他校では絶対にできない経験で本当に楽しかったです」「これからも仲良くさせてもらい,いつかRITへ行きたいという気持ちが強くなりました」と話していました。また,次はRITでゲームジャムを開催したいとの声がたくさんあがりました。

RITの学生たちは,日本に約2週間滞在して,ゲームジャム参加の前後に,京都で日本文化を体験したほか,広島,東京を旅行し,充実した日本滞在となりました。

RITは1829年,米国ニューヨーク州ロチェスター市の郊外に創立された工学系の名門大学です。世界でいち早く1991年にIT学科を設置したことで知られ,特にCG・ゲーム・IT分野の教育,実績は全米トップクラスの評価を得ています。KCGは1996年に同校と姉妹校提携を結び,学部編入が可能な留学プログラムを展開しているほか,情報処理科に4年制大学卒業者を対象にしたRIT大学院修士課程留学コースを設けるなど,長年,活発な交流を続けています。

作品発表。他のチームの作品も気になります
作品発表。他のチームの作品も気になります
開発と発表をやりとげた学生たちの記念撮影
開発と発表をやりとげた学生たちの記念撮影